その後の私は、I先生の為にありとあらゆる医療機関に打診しまくりました。
ただやはり年齢の壁は思っていたよりも高く、断られ続ける日々でした。

へこたれかけながら、I先生と初めてお会い頂いてから3ヶ月以上経ったある時、I先生とは別の先生の相談で、とある整形外科病院の事務長を訪問することになりました。

　その先生のご希望と医療機関の待遇の折り合いがつかず、ご案内をあきらめかけていた時にふとI先生の事が頭の中に降りてきて「ダメ元で相談してみよう」と思ったのでした。
I先生の現況はと言えば内科医としてしばらく過ごしてこられ、整形外科のご経験はまったくない中、事務長に対し、I先生の物語をお聞きいただきました。

結果、事務長は「すごい話を聞いたよ。感動した。理事長に掛け合ってみるから待っててください」とのこと。

　その時、‘人の心からの思いはやはり通じるんだ。こんな話を聞いた私が伝えなくてどうするんだ！ここがだめでも積極的に当たっていこう！‘　と思いました。

ただ幸いなことに、この整形外科病院からオファーを頂くことに成功し、あっという間にI先生のご入職が決まりました。I先生と奥様から非常に心のこもった感謝のお手紙を頂戴致しました。この時、本当にこの仕事をしていて良かったと感じました。

　私はこの経験を通じて
・先生の人となり・背景にはさまざまな物語があり、丁寧なヒアリングが必要
・先入観を持たず、先生の思いを素直に伝達すべき
ということを学びました。

今後の私にこの経験を最大限生かすべく、これから出会っていく先生の思いを丁寧に受け止め、喜んで頂けるご縁を提供できるよう精一杯つとめていきたく思います。