改めて、転職先を探す上でM先生の希望をヒアリングさせていただいたところ、専門の整形外科に特化した勤務にも興味はあるが、加齢に伴い目が見えにくく耳が聞こえにくいなど、現役時の様にフットワーク軽く対応することも難しく、ナートなど細かな手技も出来なくなっている為、自身を必要としてくれるところがあれば地方・へき地を問わずどこへでも行きたいとのことでした。

　関東出身で、これまで関東から出たことがないM先生にとっては、大きなチャレンジであり、当に医師人生の集大成をかけたビッグプロジェクトになる為、勤務内容、給与及び待遇面はもちろん、引越し・住宅準備、帰省手当、帰省の際の空港までの送迎の有無、へき地での移動手段、車の貸与は可能なのかなど、細部まで医療機関に確認しながら進めさせていただきました。

　関東近郊から、飛行機で北へ南へ全国エリアで探す中、北寄りのへき地でM先生の赴任を熱望する医療機関が見つかり、諸々の条件面においてもほぼこちらの要望を叶えて下さり、めでたく入職となりました。条件面は前職のコロナ病棟に勝るとも劣らない内容となり、M先生に喜んでいただくことが出来ました。

　コロナが作り出した異常な求人は多くのDrに影響を与えたものの、それによって救われた命も少なからずあるのは事実であり、M先生も高額給与を受け取りスキルアップが出来た半面、最後は突然の雇止めに合うなど悲喜こもごも、天国と地獄の両方を垣間見た特殊な転職となりました。